2011年5月19日木曜日

アップルバレー空港でのIAC競技会

アップルバレー空港で行われたIACの競技会「Los Angeles Gold Cup Duel in the Desert 」に出場しました。
Attitude AviationのピッツS-2Cを、日本チームの三人でシェアしての出場です。







リバモア空港での事前訓練に向かうTakanoさん









同じくTanikawaさん











New Jerusalemにて、ハワードさんからのクリティークを受ける

競技会へ参加するためには、自由になる機体が必要です。つまり、飛行学校の機体を借りるか、他の人の機体を借りるか、自分で機体を持つか。このいずれもが、日本に居住する我々にとっては、そうやすやすとできることではありません。もちろん近道は、飛行学校の機体を借りることです。しかし残念なことに、私はそもそもFAAのライセンスすらもっていないため、単独飛行すらできません。
今回は、Attitude Aviationの教官である高木さんに、全てをオーガナイズしていただきました。セイフティーパイロットのみならず、機体の手配、調整、競技会事務局との連絡、競技会場での機体のケア、そしてクロスカントリーの計画(帰り道)、ほぼ全てを高木さんに頼りきってしまいました。
そもそも振り返ってみれば、私が3月から試みてきた動力曲技への挑戦は、全て高木さんの指導の元で行ってきました。良い教官の元で、集中して指導を受け、競技会へ挑戦する。この流れこそが、上達への早道であると私は確信しています。








高木さん近影。デラノ空港付近にて。












私は、高木さんとネットで知り合いました。こう書くと胡散臭いですが、事実です。ホームページやSNSでコミュニケーションをとる中で、方向性の類似やマニアックな飛行理論の魅力に惹きつけられ、いつか一緒に飛びたいと願ったものでした。

初めて実際にお会いしたのは、2010年に福島で行われた全日本曲技飛行競技会の時。チーフジャッジとして来日された高木さんに、いつかアメリカへ行くので教えてください、とお願いしたことを覚えています。その半年後、渡米。こんなに早く、それにこんなに高密度/長期の教育を受けることになるとは、その時は思ってもいませんでした。このような生産的な出会いが、他のアクロ志望者にも訪れることを願っています。

高木さんは先日輸送機パイロットの職を辞され、いよいよアクロ(エアショーや啓蒙)に特化した生活にシフトされるとのことです。日本人を対象とした教育活動も重点的に行っていかれるとのことなので、これから競技曲技を志す人にとって非常に恵まれた状況と言えます。訓練を希望される方は連絡下さい。






さて、話が逸れましたが、競技会。なんだか地獄のような砂漠の空港です。













アメリカ在住の日本人パイロット、osuaviator(ハンドルネーム)さんと、愛機のピッツS-1。

自分の機体を所有し、競技会へ出場する。夢のような生活を実現されています。









私と同い年にもかかわらず、これほどの技術と経験をもったパイロットがいる・・・。彼と知り合えたことは、私にとって大きな刺激になりました。














(高木さん提供写真)
ブリーフィング風景。非常に簡素です。





競技飛行へ向かうTakanoさん。





フライトの合間に時間を見つけては、他の人のフライトを観察します。

どう飛んだらどう見えるのか。曲技飛行に最も重要なことです。



飛行後。

この瞬間、笑顔になることはめったにありません。失敗の自覚に苛まれ続けます。








(高木さん提供)

競技飛行前の「踊り」。手を飛行機に見立ててイメージトレーニングを行います。世界共通の風景です。







滑走路の右側に、白いボックスマーキングが見えますでしょうか?

この枠の中で、演技を行います。

ボックスの中で飛んでこそ、曲技飛行の気持よさは格別です。









初めての動力曲技競技会、やはりグライダーのそれとは違う運航形態に、戸惑うことばかりでした。しかし高木さんや日本チームの先輩方からのサポートを受け、なんとか安全に競技を終えることができました。
私の飛行は、非常に後悔の多く残るものとなってしまいました。ボックスの狭さ(速度の速さ)、暴力的な風の強さ、それに空気の薄さをうまくコーディネイトすることができず、冷静さを欠いた飛行を行なってしまいました。その結果、80パーセントを超えた種目が自由演技(Free)のみという非常に残念なスコアを記録することとなりました。それでも即興演技(Unknown)で2位につけたのは、ある種の地方大会マジック。メダルを持って帰れてラッキー、くらいに思っています。































食事会、表彰式も終わり、帰路につきます。
アップルバレー空港・・・本当に、砂漠のど真ん中でした。
































osuaviatorさんと編隊飛行
































給油地点であるデラノ空港を目指す。

































雲が増えてきました。

















完全に覆われてしまいました。









































雲の切れ間を見つけて降下。
デラノ空港にて給油。
































デラノからリバモアまでの1時間半は、快適そのもの。
アクロ機でのクロカンは拷問だと言われますが、私は嫌いではありません。
怖いですが。

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これで、ひとまず動力曲技への導入訓練は終了しました。
次回は、エクストラに乗り換えてアドバンスド〜アンリミテッド科目の練習を行い、再びIAC競技会への出場を目指します。エクストラを運用する技術/知識や、アドバンスドorアンリミテッド競技を安全に飛べる技量が身についたと判断できた時点で、ヨーロッパでのトレーニングキャンプへの受け入れ先を探し、世界選手権への道を探ります。
乗り越えるべきハードルはたくさんありますが、なんとか実現したいものです。


もっと写真見たい方は・・・
https://picasaweb.google.com/flickloop/LosAngelesGoldCupDuelInDesert#

2011年4月30日土曜日

飛行中の動画とシーケンスカード

機会があるごとに、同乗者に頼んで飛行中の動画を撮ってもらっています。
フライト後の反省に使えますし、なにより世界中の競技者仲間にも楽しんでもらうことができます。
今年度に飛ぶであろう規定シーケンスが全て揃ったので、公開することにします。

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■まずはグライダーから。
使用している航空機は、MDM-1 Fox、アクロ専用グライダーです。登録記号はJA20KA、板倉滑空場で飛行しています。
次期日本代表選手(予定)のSさんに撮影してもらいました。後部座席からの視点です。




アンリミテッドクラスの規定演技です。

今年はマイナスGのかかる科目が多く、繰り返し練習していると、機体への負荷が心配になってきます。

特に4番のフィギュア、マイナス6Gが適正とされているため、グライダーアクロの中でも最も大きな負荷が見込まれる科目です。

動画を見ていただくと分かるとおり、Fig.3とFig.4を大きく失敗しています。選手権までには、なんとかしなければいけません。











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自由演技。



いい加減な手書きカードですし、動画のものとは一部異なっています。

しかも動画では、途中までしかやっていません。その理由は・・・











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■次は動力飛行機。
使用している航空機は、ピッツS-2C(N15TA)、Attitude Aviationという学校のレンタル機です。
教官のマークさんに撮影していただきました。







インターミディエイトクラスの規定演技。


科目自体は単純なものの連続に見えますが、グライダーには無い考え方や技術がたくさんあり、結構大変です。


しかしそれが面白い。













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自由演技。

このシーケンスは、WP Competition Aerobatic Teamのパイロット、Uさんにいただいたものです。とても飛びやすく、楽しいシーケンスです。

2011年4月6日水曜日

オープンコクピット複葉機でのフライト




午前中のフライトを終え一休みしていると、受付の人から声がかかりました。

「Tomo、グレートレークスで飛びたい?タダで乗せてくれるらしいよ」

全くもって無意味な問いです。私には、断る言葉の持ち合わせがありません。














キャノピーが無い。ただそれだけのこと。













風を受ける二枚の翼が、そこにあります。

















近代的な空港。この飛行機にはあまり似合わないようです。














訓練空域へと進路をとります。


















到着。やることは一つです。







































二枚の翼からの大きな抵抗を感じます。ピッツのようにはいきません。
































エルロンも、なかなかの重さです。
ロールレートはFOXと同じくらいでしょうか?


































シートベルトだけが頼りの背面飛行。
心地良い風がコクピットを巡ります。













楽しい時間の終わりは早いものです。












いつか、こんな飛行機を所有したいと思います。

思う存分、のんびりと飛び回ってみたい。


でも今は、曲技に専念しなきゃ。








乗せてくれたロバートさん、本当にありがとうございました。

2011年4月4日月曜日

アメリカでの訓練




私は今、カリフォルニア州のリバモアという町にいます。動力飛行機の曲技を練習するため、ここに来ました。


これまでは専らグライダー曲技に専念してきた私ですが、今年度から動力機も始めることにしました。


長期的な目標としては世界選手権への出場、短期的な目標としてはグライダー曲技への技術的応用を考えてのことです。


(実際は、今後3年間の収入のめどがついたから、という現実的な理由もありますが)











通っている飛行学校は、リバモア空港にある、Attitude Aviation。


訓練機のラインナップを見てください。尾輪式やジェット、マニアックな飛行機が勢揃い。こだわりの飛行学校です。
http://www.attitudeaviation.com/









私が使用している訓練機は、「ピッツ S-2C」。

尾輪式のハイパワー複葉機で、アドバンスドクラスまでの飛行が可能です。

乗っているのは高木さん。私の動力機アクロの師匠です。輸送機操縦士として運送会社に勤務する傍ら、土日だけここの飛行学校の教官として活動していらっしゃいます。今回は特別に、私の訓練のために休暇をとってくださり、ここ一週間毎日一緒に飛んでいただきました。







このピッツという飛行機、前が見えないことで有名です。でも、見えないという考え方は間違っています。世界を知覚することは、世界に対して能動的に働きかける「行為」に基礎づけられます。見ようとすること、これが、世界を見ることです。後ろが見えなければ振り返ればいい。前が見えなければ蛇行すればいい。そう考えたら、この飛行機の前に広がっている世界は「見えて」きますし、私を取り囲む包囲光の流れが、まるで触覚のように感じられてきます。視覚とは、ある種の触覚なのかもしれません。































ひとたび空へ上がれば、自由そのもの!!


















































あと二週間ちょっと(途中一時帰国しますが)訓練した後、IACの地方大会「Los Angeles Gold Cup Duel in the Desert 」へ出場します。インターミディエイトカテゴリーでの出場です。どこまで腕を上げられるか、挑戦です。

2010年4月8日木曜日

2010年度ヨーロッパ選手権(フィンランド)

最初に、ポーランド選手権の写真から載せます。国際大会の数週間前には、例年ポーランド国内選手権が開かれます。国際大会へむけた練習としての位置づけだけでなく、なにやら政治的な匂いもする複雑な大会です。とはいえ国外からの参加者にはそんなことは関係なし。純粋に楽しめばよいのです。



我々のベースであるリブニックから、ポーランド選手権開催地であるウォソシナまで、競技機を空輸しました。


曳航機は、「スカイリーダー」というウルトラライト機。こちらでは、ウルトラライトがFOXを曳航します。とても、危険です。



とはいえ一時間とちょっとの飛行を、私は存分に楽しむことができました。


ウォソシナを見つけ、離脱、上空で曲技飛行を行い着陸すると、そこには競技仲間のポールとディトマがいました。再開を喜び合う私たち。一年に一度、こうやって共に競い合える幸せ。





離陸を待つディトマ博士。

彼はオーストリアのトップパイロット。30年近い曲技のキャリアを持つ大ベテランです。自分の会社を持っており、そこで改造FOXなど作っているようです。

いつも自分のキャンピングカーに自分のスイフトを入れたトレーラーをつないでヨーロッパ中を旅して回り、各地でトレーニングに励んでいます。飛行スタイルは危険極まりないですが、とても魅力的な人物です。



動力曲技のポーランド選手権も同時開催されており、ポズナニ飛行場のジェラズニー曲技飛行隊が勢揃いでした。

このエクストラ330はジェラズニーの一員で(おそらくリーダーのボイチェクが所有)、私が今年トレーニングを受ける予定だった機体です。諸事情あり、中止になりました。来年こそは。



例によって競技中の写真はありません(真剣なので、写真をとる余裕がないのです)。

代わりに 、競技終了後のエアショーの写真を一つ。

手前で無線を担当しているのは、ジェラズニーの最年少パイロット、アガタ。弱冠20歳の大学生ですが、エクストラ330を駆るアドバンスドパイロットです。









このエアショーでは、マクラ氏も飛びました。その際の動画がこちらです。
http://www.flyingtv.pl/film,lotnictwo62,filmy-0,ile-10,samolot-360.html
いかに美しい場所であったかが、わかると思います。




エアショーも終わり、リブニックへの帰路につきます。







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森と湖の国、フィンランドへ移動しました。

今回FOXは陸路を移動。フェリーでの運搬になってしまったため、莫大な費用がかかってしまいました。

しかもフィンランドは物価が高く(とはいえ日本と同じくらいですが)、ポーランド人達にとっては厳しい状況になってしまったようです。



ヤミヤービ飛行場。

森を切り開いて作った土地に、一本の滑走路。

イベントの際にだけ稼働する飛行場だそうです。







離陸して驚きました。


見渡すかぎりの森!


こんな光景は初めてです。


Boxマーキングも、木を切り倒して設置してあるため、真上からしか見えません。




今回初めてSolo-Foxに乗るマグダレナ。

20歳ちょっとの若さで、ポズナニ飛行クラブの教官を務めています(残念ながら大学は留年中。このへんの事情は、国際的に共通するようですね)。壊れたプハッチからパラシュートで脱出した経験も持つ、隠れた猛者です。

アドバンスドカテゴリーで善戦しました。













教習中・・・






マクラ氏、元気がありません。




なんだかだらけムードのポーランド&日本チーム。

誰もが各々の飛行に満足していないようです。



上手く飛べなくて悩む。


悩んでも、答えは出ない。









強風で飛べない日が多く、このような場面が多く見られました。

左はポール、右はマース。イギリスの友人たちです。

私もこの日、カヌー初体験となりました。






ポーランド&日本チーム、国際ペイントボール大会での初勝利を決めました。


真剣にイメージトレーニングを行うマクラ氏。



ポーランド勢&日本にとっては、苦しい戦いとなりました。













大会終了後の食事会にて、懇親を行うポーランド、ロシア、フランスの選手たち。マチェック(中央)の黒い笑顔が光ります。







マクラ親子。

私の恩人達です。







ポーランドチームの面々。

右から、マルダ(ポーランド航空協会)、マグダ(上述の通り大学留年中の飛行クラブ教官)、コテック(クバ、ヤコブ、呼び方はたくさんある。親父の経営するウルトラライト教室で教官をやりながら、競技者を続けているunlimited最若手実力者)、スタシェック、マチェック(変な奴だけど腕はある)、マクラ氏、ラデック(ポズナニ飛行クラブの教官。チームマネージャー)。









運営者側の一人が水上飛行機で来ていることが発覚。大会の後、乗せてもらいました。



彼は一時期、この機体で「通勤」していたそうです。









フィンランドは、湖だらけ。

どこにでも水上飛行機を停めていいし、どこをどう飛んでも自由。


私は心底、この国が好きになりました。