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2014年4月15日火曜日

ヨーロッパ選手権へ向けた準備(EASAライセンスの取得)

今年のExtra200はDHLからのスポンサードを受けてこんな色に。DHLチームの素晴らしいパフォーマンスはこちらから

かねてより私は、飛行機で最上級クラスの国際大会へ出ること(だけではなく、出続け、技量を高めていくこと)を目標として掲げていた。昨年度イギリスの地方大会でアンリミテッドクラスへ2度出場し技量を上げて、今年は国際大会だ!というところで立ちはだかる壁が、ライセンスと機体の問題である。誰の機体で飛ぶのか、その機体はどこの国に所属しているのか、飛ぶ国で必要なライセンスはどのようなものか。イギリスはこれまで日本のライセンスでそのまま飛べていた。しかし周知の通りヨーロッパの航空業界は変革期にある。EASAの到来である。来年の春頃?以降は、いかなるヨーロッパ籍の飛行機で飛ぶ場合においてもEASAライセンス(ヨーロッパ圏内の国際ライセンス)が必要となる。今年使用させてもらう機体は、大先輩から紹介していただいたスロベニアの競技者が所有する300Lであるため、なんとか今年だけなら期間限定の書き換えライセンスで飛べるということもわかった。しかしどうせ来年からダメになるのなら、さっさとEASAライセンスを採ってしまおうということで、3月に3週間ほど訓練をかねてイギリスに行ってきた。普段は面倒なことは後回しにする性格であるが、今回は仕事上の事情もあり、このチャンスを逃すと先が不確定であるとの考えから、取得に踏み切った。幸いなことに、ロンドン在住の日本人のSさんという方が、すでにEASAライセンスを保有されており、取得へ向けた道筋を示していただいたことも、面倒なことを始める大きなきっかけとなった。そしてなにより、いつもお世話になっているBritish Aerobatic Academy(http://britishaerobaticacademy.com)のAdrian Willis氏によるフルサポートを得られたこと、さらには実質的な訓練を請け負う学校であるRural Flying Corps(http://www.rfcbourn.co.uk/Rural_Flying_Corps_-_Bourn/Home.html)からの寛大なサポートを受けられたことが、順当に取得手順をフォローできたことの最大の要因であった。以下に、日本の自家用陸上単発ピストンのライセンスからEASAの同様のライセンスへと書き換える場合の手順の概略を示す。飛行時間が100時間を越えている場合の事例。あくまで私がたどった手順であり、これから変わる可能性も多々ある。これがヨーロッパのカオスである。少しでもこれから取得する人の参考になれば。


1:English Language Proficiency(航空英語能力証明)を受ける。
Level4以上が必要。Anglo Continental(http://www.anglo-continental.com/en/uk/courses/aviation/aviation-test.htm)というイギリスの英会話学校がスカイプによる受験を受け入れていることをSさんから教えていただき、受験に至った。TEAPというものがそれである。このページを全て読み、サンプルの音声を聞き、メールをして金を払って、指定の日時にスカイプでテスト。もしかするとこの試験は受けなくてもよいかもしれない。CAAからのメールには、技能試験の際に同様の試験を行なったことにもできると書いてあった。保障はしない。

1.5:British Aerobatic Academyに訓練受け入れの相談をする。
これは冗談のようでリアルな話、ヨーロッパ的カオスの中では信頼できる力のある人に面倒を見てもらえるかどうかが物事をうまく運ぶための鍵になることが多い。欧米という言葉にはドライな印象がつきまとうが、実際は・・・笑。本当はどこのスクールでも免許はとれるのだが、私はここに連絡して受け入れてもらうことを強くお勧めする。ウェブサイトに記載されているメアドよりもFaceBookのほうが連絡を取りやすい。

2:航空身体検査(JAR/Part-FCL Class 2 medical certificate)を受ける。
あらかじめ予約しておき、渡航したらすぐに受けておく。どこでもいいが、私はSさんから教えていただいたhttp://www.pilotmedicals.com/この診療所を利用した。とても人の良い医師で、検査も一瞬で終わった(おそらく10〜15分くらい?)。回転椅子に乗せられたりして半日検査されるポーランドとは対照的であった。ふつうのビルの中にあって、看板も何も出ていないし、電話しても出てくれないので30分ほど彷徨い歩いた。これがイギリス流。

3:学科試験を受ける。
必要な科目はAviation law と Human factors。ICAOライセンス所持者なのになんで今更、と思うところではあるが、本来は6個か7個試験項目があり、これでもかなり楽になっているらしい。準備としては、The PPL Confuser(http://shop.pilotwarehouse.co.uk/product210023.html)、という本があるのでこれを覚える。ここからほぼそのまま出る。Sさんの意志で、次に続く人にこの本を渡して、ということなので、私に連絡いただければこの本を手に入れることができる。これをすべて理解して覚えるのはとても大変。このへんも、上記の事情の分かっているスクールを通じて受けることができると、いろいろとやりやすくなるポイントである。

4:技能審査
ICAOライセンス所持者なのに・・・以下略。これだけはごまかしが効かない。延々と2時間以上にわたる飛行の中で微に入り細に入り技能をチェックされる。この飛行試験の準備のために、最低でも2回のフライトは必要だろう。私は特にナビゲーションが苦手で(数字と英語が嫌いなので)、苦労した。Adrianのはからいで、彼が地方巡業をするときのエクストラのナビゲーションを全てやらせてもらえたので、そこでだいぶ経験をつむことができたが、それでもやはりセスナでの不本意な訓練を2度行なうことになった。やらなければいけないことなのに嫌な顔をしてしまう私に辛抱づよく教えてくれたAdrianとRural Flying Corpsの教官には感謝してもしきれない。


以上全ての手順をこなしたら、スクールの教官と一緒に膨大な書類を書き上げ、ログブックと共にCAAに提出する。これで(おそらく)晴れて国際ライセンス所持者となることができる。


(エクストラでクロカン練習中)

ハッキリ言って私は試験だの勉強だの資格だのが本当に嫌いで仕方がない。なぜ仕事でもないのに、こんなに嫌なことばかりやらなければいけないのかと毎日思いながら、それでも夢の為にと思ってやっていた。曲技飛行というのは本当に割の悪い趣味だと思う。生活の全てをなげうって金を貯めても、その後に待っているのは書類、資格、勉強・・・嫌なことばかり。一体何をやっているのだろうか。体一つでできる趣味や道をもっている人が羨ましくて仕方がない。本当に嫌になる。そんな気持ちの唯一のはけ口が、曲技飛行(笑)。試験勉強のイラつきから逃れるかのように、一日5回ほどのフライトをエクストラで行った。その開放感といったらたまらない。飛んでいる間だけは、飛行機としての自分でいられる。そこには何の試験も資格もない。ただ空気があって、体があって、重力があるだけ・・・
(雲間で遊ぶ)


新しいフリーを作った。去年のは理不尽な難しさがあったので、すこし優しく、でももっとチャレンジングな難しさを入れ込んで、技量向上を目指す。大きな着眼はフリックのテクニック。最小のエネルギーロスで最大のアクセントを生み出し、なおかつ軸を通すのが課題。フリックは必然的にフライトパスの揺動を生み出すが、それをどう処理して直線として飛ぶか。
低速からの加速区間を作ったのは私なりの工夫。これで、200馬力の低出力機とは言えど、失高は1500フィート以内に収まる。


今年のノウン。動画を撮ると下手クソなのがよくわかってためになる。

慣れというのは興味深いものである。私のようなヒョロヒョロの青白い研究者でも、毎日毎日飛行を繰り返していると、最終的にはアンリミテッドのシーケンスを一日10回飛んでもあまり目立った疲れを感じなくなってしまった。プラスマイナス8Gが入れ替わり立ち代わりかかってくるため、一般的にはキツいと思われる訓練のはずだが、慣れてしまえばただ椅子に座っているのとあまり変わらない。とはいえ最後はテニス肘になってしまったのだが。

これで、ヨーロッパ選手権へ向けたおおまかな準備は終わったと言えるまだ細かい障害は山積みであるが)。これまで、障害にぶちあたる度に先輩方に助けられてきた。人の夢を応援すること、応援された人がまた別の人を応援すること、そしてお互いに向上していくということ、本当に良い循環だと思う。高い志を持った人々の力でネガティブな要素を全て排除し、straight forwardな仕方で夢に向かって挑戦していきたい。


2013年4月28日日曜日

イギリスでの動力機競技会 ーアンリミテッドクラスへの挑戦ー

今年の主眼は、動力機によるアンリミテッドクラスへの挑戦です。そのために、グライダーの世界大会もキャンセルしました。第一回目の渡航を終えたので、ここに記録します。

訓練場所は去年と同様、Little Gransden Airfieldです。使用機材も去年と同様、Extra 200。British Aerobatic Academy(http://britishaerobaticacademy.com/)という個人スクールを運営するエイドリアン・ウィリス氏の所有する飛行機です。


このスクールはいわゆる「飛行学校」という雰囲気ではなく、個人塾のようなものに相当するでしょうか。飛行場にあつまる仲良しグループの中に入れてもらって訓練するような感じです。

友人の競技者トム・ベネット氏がCap232に乗って遊びに来てくれた 

経験豊富な競技者に地上から見てもらい、アドバイスを受ける

イギリスのアクロ環境は、私が経験した中でも世界最高です。村の上以外ならどこでも曲技できる空域、オーガナイズしさえすればいつでもグラウンドクリティークが可能な環境、世界でもトップクラスの飛行技術を持つマーク・ジェフリース氏の技術を間近で見て教えてもらうことのできる飛行場、曲技仲間にいつでも会いに行ける適度に狭い国土、週末に終わる気軽な競技会、そして飛行場に連日集まる気のいい人々(本当にいい人ばかり)との飛行機・曲技談義・・・天気さえ良ければ、と思うことはありますが。

とはいえ今年は比較的天気も良く、順調に訓練することが出来ました。今年はアンリミテッドへの挑戦・・・アンリミテッドというのは、言葉の通り無制限クラスであり、曲技飛行の最上級カテゴリーです。求められる機体性能も、競技者の腕前も段違いに高度であり、なかなか挑戦できるものではありません・・・というのが俗説、というか、皆に言われることなのですが・・・本当にそうなのか?パワーが無ければ高度を使えばよいのではないか?下手クソでもネガティブスナップやってもいいんじゃないか?と、私は常々思っていたわけです。アクロというのは、機体の設計が求める機動を人間の限界まで攻めればいいんじゃないか、機体構造的に出来ない機動をやるのは論外だけど、機体が出来るのに人間がやらないっていうのは如何なものか・・・それなりに高性能機に乗っていて腕もあるのに、まだ下のクラスで修行しなければ、なんていう風潮は、やはりナンセンスだと思うのです。その風潮が、飛行経歴が長くて腕も良く、高性能機を持っている限られた人だけがアンリミテッドに出場している現状の地盤を形成し、アンリミテッドは限られたハイパワー機でしか飛べない、というのが通説の根拠となっているのではないかと思います。今回私は、一般的には重くてパワーの無い飛行機と思われている「Extra 200」でアンリミテッドを飛行することにより、その通念を覆しました。

アンリミテッドで難しいのは、上昇しながら「何か」をやる課目が増えてきて、エネルギー的に厳しくなってくるところ。特に、垂直上昇でのスナップロールはエネルギーの減衰が激しく、その後さらにエネルギーを必要とする機動を要求された場合、それを確実に遂行できなくなる場合があるのです。しかし、スナップロールというものは、操縦者の技量によってその特性を顕著に変えます。私のスナップロールはまだ無駄が多く、ロールレートも遅く、エネルギーをたくさん消費してしまいます。しかしマーク氏に同乗していただき見せてもらったスナップロールは、私のそれとは全く異なるものでした。垂直で登りながら美しく速いスナップロールをやって、まだまだたくさんエネルギーが残っている・・・これを体感したとき、飛行とは飛行機ではなくて技術なんだ、と改めて思い直しました。

また、もう一つ厳しい点は、体力。急激なネガティブGとポジティブGの交代が、瞬く間に体力を奪い、疲労により技術を低下させます。特に、スナップロール等筋肉反射でやっている課目の精度が目に見えて低下してきます。最初のうちは、1シーケンス終わっただけで飛行機の中で完全にくたばってしまい、エンジンをしぼって小休止を挟まなければいけませんでした。これも、やはり慣れの問題です。


規定課目の練習。途中で間違えたので中断した。

訓練開始後一週間、アドバンスドの大会が週末にあるから出ないか?と誘われ二つ返事でokしました。朝飛んでいって夕方に飛んで帰る、日帰り選手権です。
 イギリスは平坦でどこも同じような景色。
 GPSが無ければどこを飛んでいるのかすらわからない。

会場であるBreighton飛行場に着くと、すでにたくさんのパイロットたちが集まっています。

 流行りの高性能機、エスバッハ。いつも人が集まってきます。

結果、65%で3位/8人中。あまり感触が良くない。



その二週間後、経験豊富な国際ジャッジであるニック・バッキンガム氏と打ち合わせ、アンリミテッドカテゴリーへ移行するための審査を行ってもらいました。ニック氏最寄りの飛行場であるConington airfieldまで行ってみると、物凄い風・・・明らかに、30ノット以上ふいています。その中こなさなければいけない課題は、このシーケンス。
風でどんどん流される非常に厳しい条件の中なんとか安全に飛び終えることができ、審査に合格、アンリミテッド競技者としての承認を得ました。

その3日後、目標としていたアンリミテッド競技会に参加するため、早朝からElvington飛行場に移動です。天候に恵まれず、雲に囲まれ空軍の飛行場へダイバートし、一時は参加が危ぶまれましたが、なんとか到着することができました。
Elvingtonの写真、これしか撮っていない。いかに余裕が無かったかが分かる。

今回の競技会、アンリミテッド参加者は3人。みんな、今回が始めてのアンリミテッド。常連の強豪たちは来れなかったようです。トムと私はギリギリ審査に間に合った状態・・・。それぞれ経歴も機体も違う若手三人が初挑戦・・・しかも一人はExtra 200で挑戦・・・相当に面白い見物だったようで、飛行の度に声をかけられました。Extra 200でやれるなんて・ブレイクいらないんだ・俺のピッツでもアンリミテッド飛んでくれ・・・等々たくさんの驚きの感想を聞くことができました。たぶんピッツではG制限上どうしてもスキップしなければいけない課目が出てくると思うのですが、この国にたくさんあるエッジ360やエクストラ300L、レーザー(Gが厳しいか?)などは、アンリミテッド対応機として認識され始めたのではないでしょうか。

アンノウン1と2。無茶苦茶な課目構成ではないけど、技術不足のため厳しかった。


結果は58%、2位。60%を超えられなかったのが非常に残念です。科目別スコアを見れば分かるとおり、これは完全に技術の問題であり、パワー云々ではありません。練習が必要です。
この写真に写っている私以外の二人は、今年WAC(世界曲技飛行選手権)に出場するそうです。いいなあ。。。お前も行きたいなら機体貸そうか?と言われ、もちろん私も行きたい気持ちはあるのですが・・・1:金がない(たぶん出るだけで50万は必要)、2:アメリカでの開催(私はアメリカ免許を持っていない)、3:貸してくれる機体での練習期間が無い(トムはパトリックパリスとのトレーニングキャンプを2回やるそうだが、私はその2回とも仕事で行けない)、4:無国籍選手の参加が認められるかわからない、というようなネガティブ要素ばかりが並んでしまうので、それをおしてまで無理やり今年出るよりも、もう少し習熟してから、参加の簡単なヨーロッパで開催されるであろう来年から参加するのが経済的ではないかと思っています。そのためにも、来年以降の仕事を見つけなければ・・・。今必死で次の仕事の応募書類や申請書を書いています(今の仕事の任期が今年度で切れるので)。曲技飛行は一生かけて探求していくものなので、長期的に飛べるよう身分を整えなければいけません。これが一番難しい。

ともあれ次回は、7月に行われるイギリスナショナルに出場します。有り金全部叩いて、今できる限りの訓練を行ってから臨みます。目指すは、65%以上。
帰りはみんなで編隊飛行。編隊を保持するのはかなり疲れる。

飛行場から村に帰る、長い下り坂。

2012年6月4日月曜日

イギリスでの動力機訓練



今年度の動力機訓練はイギリスで行いました。短期的目標は、アドバンスドレベルの競技会へ出場すること。長期的な目標は、アンリミテッドへ移行するための布石とすること。

訓練はExtra200で行いました。パワーは少ないですが、なんとかアドバンスドを飛びこなすことができます。








頑張ればアンリミテッドの2012Knownも飛ぶことができました。かなり無理やりでしたので、競技会では0点をもらってしまうかもしれませんが(特にアップラインでのスナップ)、挑戦の価値はあると思います。


この飛行機は、Adrian Willis氏(下写真)が運営するスクール機ということに、一応なっています(http://www.adastralflying.com/)。とはいえ実際は、スクールというよりも、競技者から個人的にレンタルしているという趣で訓練することができます。とてもいい教官です。

飛行機の世界はグライダーよりも個人主義的な傾向が強く、なかなか上級機を貸してもらえる機会は少ないのが現状です。そのなかで、extra200を好き勝手に使わせてもらえて競技会にも出ることのできるこのような機会は、少なくともこの国ではなかなか得がたいものです。



イギリスの環境は素晴らしい。ちゃんと整備されてて動く飛行機、綺麗な飛行場、適当にそこらへんでどこでもアクロできる空域、そしてスタンダードの高い競技会。ただし、天候の悪さだけは考慮しなければいけないでしょう。基本、毎日曇りか雨です。あと、物価の高さ。

私が訓練したLittle Gransden飛行場は、世界的トップパイロットの一人であるMark Jefferies氏(http://markjefferiesairdisplays.com/)により所有されており、アクロ天国と化しています。数えるのもバカバカしくなるほどのアクロ機、気を使いさえすれば飛行場の真上でクリティークできる空域、そしてMark氏のような理想的なパイロットの身近にいられる環境・・・今まで見た中で、アクロ屋にとってもっとも理想的な飛行場でした。




一ヶ月のトレーニングの末(とはいえ雨ばかりで30時間ほどしか飛べなかったのですが)、Sleap飛行場行われたBaEA(イギリス曲技飛行協会)の競技会に出場しました。順位は9人中5位と、とりたてて特に主張のない位置に収まりました。アンノウンでしくじったこともあり、総合得点率は65%まで落ちてしまいました。コンテストディレクターによるレポートはこちらです(http://www.aerobatics.org.uk/results/2012/GoldingBarrett/CD%20Report%20and%20Results.htm)。The Duxford Trophyというのがアドバンスドにあたります。


この大会の2週間後、英国選手権に出場するために再度渡英したのですが、残念ながら天候のためキャンセルとなってしまいました。残念です。



代わりに、というわけではありませんが、マイクロライトに乗せてもらいました。エクストラに乗るときの純粋な戦闘的気分と比べると、まるで自転車のような軽さ/清々しさを感じます。




2012年2月12日日曜日

岡南飛行場のエクストラ300L



岡南飛行場にはエクストラ300Lがあります。
所有者は、WP Competition Aerobatic Teamの内海さん

私がアクロをやりたいと思い立った大学2年の夏、「アクロバット飛行 始め方」などとググッていて最初に見つけたのが、内海さんのホームページでした。その当時はアメリカで飛ばれていた時であり、そのページには訓練の様子が面白おかしく記述してありました。その後、高木さんのホームページも発見し、アクロバット飛行競技の実態?を知りました。免許をとって、アクロスクールへ行けば始められるということを、この時知りました。

始め方がわかったとはいえ、当時は金がありません。正確に言えば、パイロットとしての金銭感覚(何日も働いて稼いだ金を一瞬で消費すること)を知りませんでした。当然、大金を叩いて楽しみのために海外へ行くなど、金持ち、ブルジョアのやることだと思っていました。しかしアクロは出来ないとしても、とりあえず飛びたい、そう思って近くのグライダークラブを探し、富士川滑空場へたどり着きました。


富士川で訓練を始め、毎週1万以上消費する金銭感覚にも慣れ、単独飛行も近づいたころ、内海さんが富士川に来られました。「アメリカでピッツに乗っていて・・・」「あ、あのホームページの人ですよね」・・・すぐにわかりました。狭い世界です。毎週のように飛行場で顔を合わせ、スーパーカブ(当時は曳航パイロットをされていた)に乗せてもらったり、地上でお話を聞いたりしながら、飛行機の魅力や外の世界の広さを知ることとなりました。


その後いろいろあって、私はグライダーアクロの競技者になり、内海さんはAWAC日本代表になりエクストラを導入されました。そして今、たま〜に岡南におじゃましては、エクストラに乗せていただいています


前席からの眺めです。キャノピーが広くてとても気分がいいです。昨年ピッツで訓練する前は、なんて前が見えない飛行機なんだ!と驚き呆れたものですが(だって着陸進入のとき滑走路が全く見えないんですよ!)、今では全く気にならなくなりました。何かが間違っている気がします。


フライトが終われば、ホワイトボードに情報を書きだして検討会です。最低高度をわることなく、かつ見栄えの良い課目の配置法を考えます。それぞれのフライトから、出来る限りの情報をしぼりとり、学びます。日本のような飛びにくい環境で、このような勉強の機会を与えて頂けたことに、感謝してもしきれません。

2011年11月12日土曜日

全日本曲技飛行競技会

先の大会から一ヶ月が過ぎました。私は未だにあの熱気を忘れることができません。

「全日本曲技飛行競技会」http://teamdeepblues.jp/championship/about.html

三年前より開催されている、動力機曲技の国内大会です。開催次期は、例年10月の初旬。私は昨年度からジャッジとして参加させていただいています。


国際大会への選手選抜を行なうことが、国内大会の本来の役割です。しかし、そのような大会が開催されるためには、相応の技量を持った選手、そしてそれを評価できるジャッジ、そしてnational aero clubからの認定が必要です。この競技会は、現段階ではまだそのような位置づけにはありません。

しかし、今の勢いを見るに、かなり近い将来、正式な大会へと発展するものと思われます。 勢いというのは現場にいてこそ感じられるものです。集まった人々の意志が躍動し、何かを目指してうごめいている様は、まさに壮観というほかありません。



大会前には、チーフジャッジである高木さん(写真左)を講師としたジャッジスクールが行われます。曲技の初歩から採点のポイントまで幅広く教えていただくことができますので、未経験でも安心です。現に、写真右のMさんは、今回が始めての曲技競技会であるにもかかわらず、しっかりとアシスタントジャッジの役をやり遂げられました。


今年はプライマリーとスポーツマンのみの実施でしたが、来年からはインターミディエイトが、そしていずれはアドバンスド、アンリミテッドクラスまで実施されることと思います。ただ、そういった未来を迎えるにあたって、ジャッジが不足しています。簡単な課目であれば、ジャッジングも比較的容易です。しかし複雑な課目になればなるほど、それを正確に減点することは難しくなってきます。私など、スポーツマンまでしかジャッジの経験はありませんし自信もありません。ジャッジの養成は、ある意味競技者の養成以上に難しい課題かもしれません。だれも、ジャッジをやりたくてアクロを志すわけではないからです。


毎日朝、ブリーフィングが行われます。国際大会以上にしっかりとオーガナイズされており、なにもかもスムーズに進んでいきます。日本らしい大会です。ポーランドのグダグダ進行に慣れてしまった身としては、ただただ凄いなあと思って見ていました。


使用された競技機は、スーパーデカスロン(上)とFA-200(下)。


どちらも、難しそうな飛行機です。見てわかるように、サイティングデバイス(姿勢を判断するための棒)は存在しませんし、性能限界の低い機体だと聞いています。しかし選手の方々は皆、非常に良いフライトをされました。高得点の接戦となったのは、ジャッジが甘かったからではないと信じています。


大接戦の結果優勝したのは、ディープブルースの芦田さん。最終日の前日、遅くまで議論に付き合っていただいてしまい、少し心配だったのですが、見事逆転優勝。おめでとうございます!

待機エリアの向こうを見据えるチーフジャッジ。彼の目にはどんな未来が見えているのだろうか・・・

たくさんの曲技愛好家の方々が、いろいろな活動を行っています。それらの情報をひとつところに集め、曲技をより開かれたスポーツにしていく。そのようなことも、この大会の役割かもしれません。現に私は、昨年の大会を通じて高木さんとお会いしたことが動力アクロを始める1つのきっかけとなりましたし、今年の大会でも素晴らしい話をいただくことができました。身の回りでも、たくさんの良い出会いがあったようです。来年は出場するぞ!・・・そんな声も聞こえてきました。

曲技飛行はマイナーかつ難しい活動ですので、各人の状況に応じた出会いが非常に重要になってきます。良い出会いさえあれば、状況は飛躍的に変わります。出会いがなければ、そのまま停滞するだけです。パイロット同士が出会い、最良の発展を行なうための場としての競技会。素晴らしいと思います。

さて、来年はどれほど状況が変わっているのでしょうか。頑張っているみんなを見ていると、いろいろなことが大きく動いていくような気配を感じます。私も自分にできることをしっかりやって、発展の一端を担えるよう、地道に頑張っていこうと思います。

2011年5月19日木曜日

アップルバレー空港でのIAC競技会

アップルバレー空港で行われたIACの競技会「Los Angeles Gold Cup Duel in the Desert 」に出場しました。
Attitude AviationのピッツS-2Cを、日本チームの三人でシェアしての出場です。







リバモア空港での事前訓練に向かうTakanoさん









同じくTanikawaさん











New Jerusalemにて、ハワードさんからのクリティークを受ける

競技会へ参加するためには、自由になる機体が必要です。つまり、飛行学校の機体を借りるか、他の人の機体を借りるか、自分で機体を持つか。このいずれもが、日本に居住する我々にとっては、そうやすやすとできることではありません。もちろん近道は、飛行学校の機体を借りることです。しかし残念なことに、私はそもそもFAAのライセンスすらもっていないため、単独飛行すらできません。
今回は、Attitude Aviationの教官である高木さんに、全てをオーガナイズしていただきました。セイフティーパイロットのみならず、機体の手配、調整、競技会事務局との連絡、競技会場での機体のケア、そしてクロスカントリーの計画(帰り道)、ほぼ全てを高木さんに頼りきってしまいました。
そもそも振り返ってみれば、私が3月から試みてきた動力曲技への挑戦は、全て高木さんの指導の元で行ってきました。良い教官の元で、集中して指導を受け、競技会へ挑戦する。この流れこそが、上達への早道であると私は確信しています。








高木さん近影。デラノ空港付近にて。












私は、高木さんとネットで知り合いました。こう書くと胡散臭いですが、事実です。ホームページやSNSでコミュニケーションをとる中で、方向性の類似やマニアックな飛行理論の魅力に惹きつけられ、いつか一緒に飛びたいと願ったものでした。

初めて実際にお会いしたのは、2010年に福島で行われた全日本曲技飛行競技会の時。チーフジャッジとして来日された高木さんに、いつかアメリカへ行くので教えてください、とお願いしたことを覚えています。その半年後、渡米。こんなに早く、それにこんなに高密度/長期の教育を受けることになるとは、その時は思ってもいませんでした。このような生産的な出会いが、他のアクロ志望者にも訪れることを願っています。

高木さんは先日輸送機パイロットの職を辞され、いよいよアクロ(エアショーや啓蒙)に特化した生活にシフトされるとのことです。日本人を対象とした教育活動も重点的に行っていかれるとのことなので、これから競技曲技を志す人にとって非常に恵まれた状況と言えます。訓練を希望される方は連絡下さい。






さて、話が逸れましたが、競技会。なんだか地獄のような砂漠の空港です。













アメリカ在住の日本人パイロット、osuaviator(ハンドルネーム)さんと、愛機のピッツS-1。

自分の機体を所有し、競技会へ出場する。夢のような生活を実現されています。









私と同い年にもかかわらず、これほどの技術と経験をもったパイロットがいる・・・。彼と知り合えたことは、私にとって大きな刺激になりました。














(高木さん提供写真)
ブリーフィング風景。非常に簡素です。





競技飛行へ向かうTakanoさん。





フライトの合間に時間を見つけては、他の人のフライトを観察します。

どう飛んだらどう見えるのか。曲技飛行に最も重要なことです。



飛行後。

この瞬間、笑顔になることはめったにありません。失敗の自覚に苛まれ続けます。








(高木さん提供)

競技飛行前の「踊り」。手を飛行機に見立ててイメージトレーニングを行います。世界共通の風景です。







滑走路の右側に、白いボックスマーキングが見えますでしょうか?

この枠の中で、演技を行います。

ボックスの中で飛んでこそ、曲技飛行の気持よさは格別です。









初めての動力曲技競技会、やはりグライダーのそれとは違う運航形態に、戸惑うことばかりでした。しかし高木さんや日本チームの先輩方からのサポートを受け、なんとか安全に競技を終えることができました。
私の飛行は、非常に後悔の多く残るものとなってしまいました。ボックスの狭さ(速度の速さ)、暴力的な風の強さ、それに空気の薄さをうまくコーディネイトすることができず、冷静さを欠いた飛行を行なってしまいました。その結果、80パーセントを超えた種目が自由演技(Free)のみという非常に残念なスコアを記録することとなりました。それでも即興演技(Unknown)で2位につけたのは、ある種の地方大会マジック。メダルを持って帰れてラッキー、くらいに思っています。































食事会、表彰式も終わり、帰路につきます。
アップルバレー空港・・・本当に、砂漠のど真ん中でした。
































osuaviatorさんと編隊飛行
































給油地点であるデラノ空港を目指す。

































雲が増えてきました。

















完全に覆われてしまいました。









































雲の切れ間を見つけて降下。
デラノ空港にて給油。
































デラノからリバモアまでの1時間半は、快適そのもの。
アクロ機でのクロカンは拷問だと言われますが、私は嫌いではありません。
怖いですが。

ーーーー
これで、ひとまず動力曲技への導入訓練は終了しました。
次回は、エクストラに乗り換えてアドバンスド〜アンリミテッド科目の練習を行い、再びIAC競技会への出場を目指します。エクストラを運用する技術/知識や、アドバンスドorアンリミテッド競技を安全に飛べる技量が身についたと判断できた時点で、ヨーロッパでのトレーニングキャンプへの受け入れ先を探し、世界選手権への道を探ります。
乗り越えるべきハードルはたくさんありますが、なんとか実現したいものです。


もっと写真見たい方は・・・
https://picasaweb.google.com/flickloop/LosAngelesGoldCupDuelInDesert#