2011年11月12日土曜日

全日本曲技飛行競技会

先の大会から一ヶ月が過ぎました。私は未だにあの熱気を忘れることができません。

「全日本曲技飛行競技会」http://teamdeepblues.jp/championship/about.html

三年前より開催されている、動力機曲技の国内大会です。開催次期は、例年10月の初旬。私は昨年度からジャッジとして参加させていただいています。


国際大会への選手選抜を行なうことが、国内大会の本来の役割です。しかし、そのような大会が開催されるためには、相応の技量を持った選手、そしてそれを評価できるジャッジ、そしてnational aero clubからの認定が必要です。この競技会は、現段階ではまだそのような位置づけにはありません。

しかし、今の勢いを見るに、かなり近い将来、正式な大会へと発展するものと思われます。 勢いというのは現場にいてこそ感じられるものです。集まった人々の意志が躍動し、何かを目指してうごめいている様は、まさに壮観というほかありません。



大会前には、チーフジャッジである高木さん(写真左)を講師としたジャッジスクールが行われます。曲技の初歩から採点のポイントまで幅広く教えていただくことができますので、未経験でも安心です。現に、写真右のMさんは、今回が始めての曲技競技会であるにもかかわらず、しっかりとアシスタントジャッジの役をやり遂げられました。


今年はプライマリーとスポーツマンのみの実施でしたが、来年からはインターミディエイトが、そしていずれはアドバンスド、アンリミテッドクラスまで実施されることと思います。ただ、そういった未来を迎えるにあたって、ジャッジが不足しています。簡単な課目であれば、ジャッジングも比較的容易です。しかし複雑な課目になればなるほど、それを正確に減点することは難しくなってきます。私など、スポーツマンまでしかジャッジの経験はありませんし自信もありません。ジャッジの養成は、ある意味競技者の養成以上に難しい課題かもしれません。だれも、ジャッジをやりたくてアクロを志すわけではないからです。


毎日朝、ブリーフィングが行われます。国際大会以上にしっかりとオーガナイズされており、なにもかもスムーズに進んでいきます。日本らしい大会です。ポーランドのグダグダ進行に慣れてしまった身としては、ただただ凄いなあと思って見ていました。


使用された競技機は、スーパーデカスロン(上)とFA-200(下)。


どちらも、難しそうな飛行機です。見てわかるように、サイティングデバイス(姿勢を判断するための棒)は存在しませんし、性能限界の低い機体だと聞いています。しかし選手の方々は皆、非常に良いフライトをされました。高得点の接戦となったのは、ジャッジが甘かったからではないと信じています。


大接戦の結果優勝したのは、ディープブルースの芦田さん。最終日の前日、遅くまで議論に付き合っていただいてしまい、少し心配だったのですが、見事逆転優勝。おめでとうございます!

待機エリアの向こうを見据えるチーフジャッジ。彼の目にはどんな未来が見えているのだろうか・・・

たくさんの曲技愛好家の方々が、いろいろな活動を行っています。それらの情報をひとつところに集め、曲技をより開かれたスポーツにしていく。そのようなことも、この大会の役割かもしれません。現に私は、昨年の大会を通じて高木さんとお会いしたことが動力アクロを始める1つのきっかけとなりましたし、今年の大会でも素晴らしい話をいただくことができました。身の回りでも、たくさんの良い出会いがあったようです。来年は出場するぞ!・・・そんな声も聞こえてきました。

曲技飛行はマイナーかつ難しい活動ですので、各人の状況に応じた出会いが非常に重要になってきます。良い出会いさえあれば、状況は飛躍的に変わります。出会いがなければ、そのまま停滞するだけです。パイロット同士が出会い、最良の発展を行なうための場としての競技会。素晴らしいと思います。

さて、来年はどれほど状況が変わっているのでしょうか。頑張っているみんなを見ていると、いろいろなことが大きく動いていくような気配を感じます。私も自分にできることをしっかりやって、発展の一端を担えるよう、地道に頑張っていこうと思います。

2 件のコメント:

  1. 昨年より明らかにレベルが上がった素晴らしい大会でしたね、
    夢のような数日間でした。

    グライダーアクロに取り組んでいるので、すぐに選手として動力機のアクロを始めることは出来ませんが、
    ジャッジやアシスタントとして日本のアクロ界発展のお手伝いが出来れば嬉しく思います。
    (いつかは飛行機でのアクロにも挑戦します!!)

    とにかく、出来る事から頑張りましょう!!

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  2. 出来ることをコツコツやるのが面倒くさくなって、つい新しいことを始めて、さらにやるべきことが増えて、結局パニクるのが私の性格です。ほんと、出来ることから確実に頑張っていきたいですね。

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