2013年8月29日木曜日

2013年度英国選手権(アンリミテッドクラス)への参戦

※この事業は、札幌市スポーツ振興基金助成金を受けて行われました。

英国選手権は、スタンダード(初級)以上のクラスを対象として年に一度行われる国内大会です。私はこの大会のアンリミテッド(無制限)クラスに参戦すべくイギリスへ舞い戻りました。

使用する機体は前回と同様、British Aerobatic Academyのチーフパイロット、エイドリアン・ウィリス氏所有のエクストラ200(参照UR:http://www.BritishAerobaticAcademy.com/)。パワーが無いと言われようが、重いと言われようが、とにかく今年はこの機体で頑張ります。

訓練はいつもと同様、リトルグランズデン飛行場で行いました。基本的には一人で、時々地上から見てもらいながらのクリティーク(評価)を受けながらの訓練でした。以前にも書いたかもしれませんが、国際審判であるニック・バッキナム氏や、世界選手権10位以内に何度も入る実力のマーク・ジェフリース氏に評価を受けることができるここの環境は、競技飛行の上達にとって非常に理想的です。
(飛行場仲間のエアショーパイロットクリス氏と編隊飛行)

アンリミテッド特有の、プラス8Gとマイナス8Gが交互に頻繁に入れ替わり立ち代わりかかってくる身体的負荷も、もう気にならなくなりました。その代わり、これもアンリミテッド特有の、踊っている感覚とでも言うべきでしょうか、細かい数字を気にするでもなく思考を空間全体に広げ、自由に3次元の身体表現を行なうような感覚になります。これは、飛行機の設計やそれをとりまく思想/自然が有する潜在性としての運動に近づけば近づくほど強く感じる感覚であり、やはりグライダーでも飛行機でもアンリミテッドまで行けば同じことなんだな、と今になって確信がもてました。グライダーのアンリミテッドは課目だけ見れば簡単そうに見えるかもしれませんが、その機体の能力が求める通りの飛行という意味においては、飛行機のアンリミテッドと全く同等の困難さ/価値があります。飛行機(自然)−制度−人間の三者間に潜在する規則が無制限の環境の中から浮かび上がるとき、飛行の美が現れます。
(自由演技の動画。エクストラ200の性能の限りをつくします)
(上の動画で飛行している自由演技のシーケンス図)


20時間ほどの練習飛行を2週間ほどかけて行い、選手権を迎えます。十分とは言えませんが、それは誰も同じ条件。頑張るしか無いでしょう。

イギリスは狭い国なので、どの選手権会場もすぐに飛んで行ける距離にあります。リトルグランズデンを飛び立って20分ほど、会場であるSywell飛行場が見えてきました。競技エリアを示すボックスマーカーが敷設してあります。下の写真のオレンジ色に見える「カギ括弧」のようなものがそれです。見えにくいですね。実際飛んでいても、よく見えません。競技中にこんな見えにくいものを探すのも大変なので、結局は地形全体を頭に入れて、全体の流れの中で飛んでいます。重要なのはボックスの中を飛ぶことではなく、適切な場所を飛ぶことです。


競技開始です。パイロットブリーフィングが始まります。今回、無制限クラスの参加者はたったの4人。上位クラスに行くにしたがって人数が減ってきます。みんな、勝つことばかり考えずにどんどん自分の限界に挑戦してほしい。そうしてこそ、飛行技術というものは全体を通じて極限に近づいていくのだから。


----------------------------------------------------------------------------------------
今回アンリミテッドクラスに参加する飛行機たち。

 XA41。エスバッハ、と呼ばれることが多いです。FRP製の超高性能機、だけど下のExtraよりも重量が重い上、ロールレートが爆発的に早いため、制御の難しい飛行機だと言われています。この飛行機に乗るのは、世界選手権の上位常連、ジョー・クーパー氏(http://www.geraldcooper.com/)。彼のようなトップレベルのパイロットと一緒に飛び競えることが、選手権に出る第一の意義です。


Extra330SC。ハイパワーかつ軽く安定しており、ロールレートも十分に早く、とても良い飛行機だと思います。今のところ、一番好きな曲技機。乗ってみたい。この飛行機にのるのは、サイモン・ジョンソン氏。彼は去年アンリミテッドへ昇格したものの、去年の英国選手権は雨のため中止となり、今年が初めてのアンリミテッド選手権ということになります。










Cap232。とても軽いうえ操縦特性も素直らしく、古いのに最高性能を誇っているような感じの面白い機体です。しかも安価。壊れたら部品供給が困難なことが難点?この機体に乗るのは友人のトム・ベネット氏http://www.bennettaerobatics.com/#/pilot/4577022254。若くて才能あふれるパイロットです。彼も今年が始めてのアンリミテッド。
----------------------------------------------------------------------------------------

飛んだアンノウンは以下のようなものでした。



不可能ではないけど・・・高性能機に紛れると厳しい。しかしアンノウン2(右側のやつ)では、67%をとって1位になることができました。性能を経験でカバーできたような気がして、少し嬉しい出来事でした。

しかし総合順位としては4人中4位。これが実力でしょう。

目標としていた65%には届かず、総合63%という結果。とはいえ、2数週間の練習で前回の得点率に5%も上乗せできたということで、まあこんなもんかな、と思っています。曲技飛行の上達がいかに難しく、いかに大きな投資を要するか・・・グライダーでよーく知っています。だからこそ、楽しい。自分に出来ないことを知るのが、楽しい。自分がまだまだだと思えば思うほど燃える。このような自虐的な趣向を持っていてこそ楽しめるスポーツなのかもしれません。


これで今年のパワー機は最後。寂しいものです。次は来年。春以降仕事がなくなることが懸念されていましたが、なんとかあと2年継続できることになりました。なので、来年の夏、アンリミテッドのヨーロッパ選手権(EAC)にチャレンジしたいと思っています。必要なものは二つ。「EASAのライセンス」「高性能機」。道のりは遠いようですが、なんとかなるでしょう。まだまだ、飛行機の本来を求める道は始まったばかり。これからの向上が楽しみでなりません。

2013年7月21日日曜日

北海道スカイスポーツフェア イン 滝川

7月21日に滝川スカイパークで行われた全道イベント「北海道スカイスポーツフェア」にてアクロバット飛行展示を行いました。機体は、滝川スカイスポーツ振興協会(SATA)所有のFOXです。SATAとRedFoxとの共同運航という形で飛ばせていただきました。



天候にも恵まれ、逆光で少し見づらかったかもしれませんが、楽しめるショーになったと思います。
(ここからの写真は、RedFoxオフィシャルフォトグラファーの山さん撮影)

よく、飛行中に何Gかかっているのか、と聞かれることがあります。グライダーアクロだと、一般的なショーフライトではプラス5G、マイナス4G、といったところでしょうか。これが競技飛行になると、プラス6G、マイナス5Gほどかけないと、うまく形を作れない課目がでてきたりします。


急降下して加速し、観客席前を280キロで通過します。


直後、急上昇して反転。インメルマンターンと呼ばれる技です。


いつもとは違う機体で、違う環境でショーをやる。そして、個人で依頼を受け、個人で出向き、飛行する。たくさん、学ぶことがありました。イベントの中でのパイロットの動き方、タイムスケジュールを把握して出来る範囲での演出を行なうこと、そして効果的な店の出し方・・・これまではチームに頼っていたことを全て一人でやることになり、大変勉強になりました。このような機会を与えていただいたSATAの方々には、感謝の言葉が尽きません。


楽しいイベントでした。来年も参加させていただきたいところなのですが、仕事で転勤するためおそらく参加できなさそうです・・・。




2013年4月28日日曜日

イギリスでの動力機競技会 ーアンリミテッドクラスへの挑戦ー

今年の主眼は、動力機によるアンリミテッドクラスへの挑戦です。そのために、グライダーの世界大会もキャンセルしました。第一回目の渡航を終えたので、ここに記録します。

訓練場所は去年と同様、Little Gransden Airfieldです。使用機材も去年と同様、Extra 200。British Aerobatic Academy(http://britishaerobaticacademy.com/)という個人スクールを運営するエイドリアン・ウィリス氏の所有する飛行機です。


このスクールはいわゆる「飛行学校」という雰囲気ではなく、個人塾のようなものに相当するでしょうか。飛行場にあつまる仲良しグループの中に入れてもらって訓練するような感じです。

友人の競技者トム・ベネット氏がCap232に乗って遊びに来てくれた 

経験豊富な競技者に地上から見てもらい、アドバイスを受ける

イギリスのアクロ環境は、私が経験した中でも世界最高です。村の上以外ならどこでも曲技できる空域、オーガナイズしさえすればいつでもグラウンドクリティークが可能な環境、世界でもトップクラスの飛行技術を持つマーク・ジェフリース氏の技術を間近で見て教えてもらうことのできる飛行場、曲技仲間にいつでも会いに行ける適度に狭い国土、週末に終わる気軽な競技会、そして飛行場に連日集まる気のいい人々(本当にいい人ばかり)との飛行機・曲技談義・・・天気さえ良ければ、と思うことはありますが。

とはいえ今年は比較的天気も良く、順調に訓練することが出来ました。今年はアンリミテッドへの挑戦・・・アンリミテッドというのは、言葉の通り無制限クラスであり、曲技飛行の最上級カテゴリーです。求められる機体性能も、競技者の腕前も段違いに高度であり、なかなか挑戦できるものではありません・・・というのが俗説、というか、皆に言われることなのですが・・・本当にそうなのか?パワーが無ければ高度を使えばよいのではないか?下手クソでもネガティブスナップやってもいいんじゃないか?と、私は常々思っていたわけです。アクロというのは、機体の設計が求める機動を人間の限界まで攻めればいいんじゃないか、機体構造的に出来ない機動をやるのは論外だけど、機体が出来るのに人間がやらないっていうのは如何なものか・・・それなりに高性能機に乗っていて腕もあるのに、まだ下のクラスで修行しなければ、なんていう風潮は、やはりナンセンスだと思うのです。その風潮が、飛行経歴が長くて腕も良く、高性能機を持っている限られた人だけがアンリミテッドに出場している現状の地盤を形成し、アンリミテッドは限られたハイパワー機でしか飛べない、というのが通説の根拠となっているのではないかと思います。今回私は、一般的には重くてパワーの無い飛行機と思われている「Extra 200」でアンリミテッドを飛行することにより、その通念を覆しました。

アンリミテッドで難しいのは、上昇しながら「何か」をやる課目が増えてきて、エネルギー的に厳しくなってくるところ。特に、垂直上昇でのスナップロールはエネルギーの減衰が激しく、その後さらにエネルギーを必要とする機動を要求された場合、それを確実に遂行できなくなる場合があるのです。しかし、スナップロールというものは、操縦者の技量によってその特性を顕著に変えます。私のスナップロールはまだ無駄が多く、ロールレートも遅く、エネルギーをたくさん消費してしまいます。しかしマーク氏に同乗していただき見せてもらったスナップロールは、私のそれとは全く異なるものでした。垂直で登りながら美しく速いスナップロールをやって、まだまだたくさんエネルギーが残っている・・・これを体感したとき、飛行とは飛行機ではなくて技術なんだ、と改めて思い直しました。

また、もう一つ厳しい点は、体力。急激なネガティブGとポジティブGの交代が、瞬く間に体力を奪い、疲労により技術を低下させます。特に、スナップロール等筋肉反射でやっている課目の精度が目に見えて低下してきます。最初のうちは、1シーケンス終わっただけで飛行機の中で完全にくたばってしまい、エンジンをしぼって小休止を挟まなければいけませんでした。これも、やはり慣れの問題です。


規定課目の練習。途中で間違えたので中断した。

訓練開始後一週間、アドバンスドの大会が週末にあるから出ないか?と誘われ二つ返事でokしました。朝飛んでいって夕方に飛んで帰る、日帰り選手権です。
 イギリスは平坦でどこも同じような景色。
 GPSが無ければどこを飛んでいるのかすらわからない。

会場であるBreighton飛行場に着くと、すでにたくさんのパイロットたちが集まっています。

 流行りの高性能機、エスバッハ。いつも人が集まってきます。

結果、65%で3位/8人中。あまり感触が良くない。



その二週間後、経験豊富な国際ジャッジであるニック・バッキンガム氏と打ち合わせ、アンリミテッドカテゴリーへ移行するための審査を行ってもらいました。ニック氏最寄りの飛行場であるConington airfieldまで行ってみると、物凄い風・・・明らかに、30ノット以上ふいています。その中こなさなければいけない課題は、このシーケンス。
風でどんどん流される非常に厳しい条件の中なんとか安全に飛び終えることができ、審査に合格、アンリミテッド競技者としての承認を得ました。

その3日後、目標としていたアンリミテッド競技会に参加するため、早朝からElvington飛行場に移動です。天候に恵まれず、雲に囲まれ空軍の飛行場へダイバートし、一時は参加が危ぶまれましたが、なんとか到着することができました。
Elvingtonの写真、これしか撮っていない。いかに余裕が無かったかが分かる。

今回の競技会、アンリミテッド参加者は3人。みんな、今回が始めてのアンリミテッド。常連の強豪たちは来れなかったようです。トムと私はギリギリ審査に間に合った状態・・・。それぞれ経歴も機体も違う若手三人が初挑戦・・・しかも一人はExtra 200で挑戦・・・相当に面白い見物だったようで、飛行の度に声をかけられました。Extra 200でやれるなんて・ブレイクいらないんだ・俺のピッツでもアンリミテッド飛んでくれ・・・等々たくさんの驚きの感想を聞くことができました。たぶんピッツではG制限上どうしてもスキップしなければいけない課目が出てくると思うのですが、この国にたくさんあるエッジ360やエクストラ300L、レーザー(Gが厳しいか?)などは、アンリミテッド対応機として認識され始めたのではないでしょうか。

アンノウン1と2。無茶苦茶な課目構成ではないけど、技術不足のため厳しかった。


結果は58%、2位。60%を超えられなかったのが非常に残念です。科目別スコアを見れば分かるとおり、これは完全に技術の問題であり、パワー云々ではありません。練習が必要です。
この写真に写っている私以外の二人は、今年WAC(世界曲技飛行選手権)に出場するそうです。いいなあ。。。お前も行きたいなら機体貸そうか?と言われ、もちろん私も行きたい気持ちはあるのですが・・・1:金がない(たぶん出るだけで50万は必要)、2:アメリカでの開催(私はアメリカ免許を持っていない)、3:貸してくれる機体での練習期間が無い(トムはパトリックパリスとのトレーニングキャンプを2回やるそうだが、私はその2回とも仕事で行けない)、4:無国籍選手の参加が認められるかわからない、というようなネガティブ要素ばかりが並んでしまうので、それをおしてまで無理やり今年出るよりも、もう少し習熟してから、参加の簡単なヨーロッパで開催されるであろう来年から参加するのが経済的ではないかと思っています。そのためにも、来年以降の仕事を見つけなければ・・・。今必死で次の仕事の応募書類や申請書を書いています(今の仕事の任期が今年度で切れるので)。曲技飛行は一生かけて探求していくものなので、長期的に飛べるよう身分を整えなければいけません。これが一番難しい。

ともあれ次回は、7月に行われるイギリスナショナルに出場します。有り金全部叩いて、今できる限りの訓練を行ってから臨みます。目指すは、65%以上。
帰りはみんなで編隊飛行。編隊を保持するのはかなり疲れる。

飛行場から村に帰る、長い下り坂。

2013年3月19日火曜日

熊谷めぬまグライダーフェスタ2013

風の強い一日でしたが、無事演技を行なうことができました。しかしあまりにも風が強く、舞い上がった砂塵が常に吹きつけているような状況であり、快適に見ていただける状況ではなかったのがとても残念です。以下、RedFoxチームフォトグラファーの山さんに撮っていただいた写真を載せます。

背面で空撮。

テールスライド後の垂直降下















280km/hで地上10mをローパス

そこから引き起こしてインメルマンターン
-----------------------------------------------------------------------------------------


フェスタ前日の練習飛行。空撮の帰り道にちょっと遊んだ、という感じですが。

プロカメラマンの方が動画を編集してアップロードしてくれました。素晴らしい出来です。日本チームの動画もこんなふうに作ってみたいものです。

動画に映りこんだウインドソックで分かるとおり、物凄い風です。ポジショニング(位置取り)には細心の注意を払って飛行したつもりですが、やはり演技課目を瞬時に組み替えながら飛ぶ必要に迫られました。ウィングオーバーからローパスに入る計画なんて、元々ありませんでした。自分なりの基準として、これは失敗フライトです。変動する風の中、限られたエネルギ―で決められた位置を飛行することは、大変に難しいものです。このようなエアショーフライトであれば、決められた課目を飛ばなくても、多少のアクロさえやっていれば失敗とみなされることはありません(例えば、風上に進出するためなら、予め予定されていなかった4ポイントロールをやってもよい。)だから位置取り自体は比較的容易です。しかし競技フライトの場合、決められた課目を決められた順番で飛行しつつ、位置を適正に保ちつつ、高速で風上へ水平飛行して位置調整するなどの無駄なエネルギー損失を招く行動は避けなければいけません。トップ選手は、風がふいていてもあたかも風など無いかのごとく飛びます。そのごまかしの効かない、一発勝負の調和的飛行は、実に優雅で壮大な印象を与えます。その感動は、確かにエアショーには存在しないものです。

2013年2月4日月曜日

2013年1月23日水曜日

RedFoxⅡホームページ

懸案であったRedFoxⅡのホームページをようやく作成しました。今後ぼちぼち充実させていきますので、よろしくお願いします。

https://sites.google.com/site/redfoxsecond/






2012年10月17日水曜日

15th FAI World Glider Aerobatic Championship参戦報告


(これは、第15回世界滑空機曲技選手権への参加報告書を若干改変し、転載したものです。)

 本大会を迎えるにあたり私は、表彰台への登壇という目標を掲げました。前年において動力飛行機による訓練を取り入れたことによる一定以上の技量向上を受け、今年度も同様に飛行機と滑空機双方の垣根をこえた訓練を行なうことによる上達を目指しました。45月の一ヶ月半ほどイギリスに滞在し、Extra200を用いて30時間の飛行を行い、BAeA(イギリス曲技飛行協会)主催のアドバンスドレベルの大会「Duxford Trophies」に出場しました。結果として64.967%、5位の成績を収め、一定の訓練効果を確認しました。





その後、7月初日よりポーランドへ渡航しポーランドチームのトレーニングキャンプに参加、1ヶ月間で50発ほどの訓練飛行を行いました。この期間に出場したポーランド国内選手権では、総合で3位という成績となり、相応の手応えを感じることができました。
(ポーランド選手権でのフライト。83.3%、2位)

またこの選手権のアドバンスド部門には日本から酒井隆さん(写真右)が初めて参加され、健闘されました。これを布石とし、来年以降の世界選手権へと進んでいかれることを望んでいます。


世界選手権開催地のドブニツァ飛行場は、大きな格納庫、広いレストラン、待機室、広くて長い滑走路、そして人家の非常に少ない空域と、曲技飛行競技会にとって素晴らしい環境を有していました。連日好天に恵まれ、プログラム6まで終了させることができ、非常に充実した大会となりました。
しかし、選手権初日より引いてしまった風邪の影響で、ノウンとフリーにおいては思うような飛行ができず、9位、19位と成績を落としてしまいました。しかしアンノウンプログラムへと進むにつれ体調は回復し、アンノウン3では4位という好成績を収めました。総合では27人中10位(71,965%)という成績となり、優勝者の得点率とは5%ほどの開きが出てしまいました。


順位は昨年よりも一つ下がっていますが、得点率は1%ほど上がっており、また自身の感覚や諸外国の選手の反応からも、技量は顕著に向上していると思われました。しかし未だ、安定して表彰台へ登るトップパイロットとの技術差は大きく、今後さらなる訓練/投資が必要であることは明らかと思われます。


 今回の大会では初めて日本として正式なジャッジ、そしてアシスタントジャッジが認められ、活躍していただくことができました。これまで何年も前から鐘尾さんが活動されてきた結果がようやく実り、日本は諸外国に劣らないチームへと成長しつつあると感じます。

これからの課題は、選手を育成し、世界の舞台へ引き上げていくこと、これに尽きるでしょう。上記の通り今年度は酒井選手をポーランドへ招待することができました。来年以降、さらに複数名の選手を育成し、できることならばアンリミテッドの日本チームを作りたいと思います。選手同士が教えあい、その成果をジャッジに確認することによってこそ良いトレーニングが可能になります。日本がグライダーアクロの列強として世界と肩を並べる日はそう遠くないと感じています。



私個人としては、来年度イギリスでExtra 200を用いてアンリミテッドクラスの選手権に複数回出場し、その後再びグライダーアクロの世界大会へと臨む予定です。着実に技術を向上させ、その結果を大会で確実に発揮することだけを念頭におき、身体の健康面も考慮に入れた日常からの訓練を行っていきたいと考えています。