2012年3月5日月曜日

熊谷めぬまグライダーフェスタ2012

グライダーフェスタでのフライト、無事終了しました。
好天に恵まれ、最高の条件下でのフライトを見ていただくことができました。

(この記事に掲載する写真は全て、航空写真家の山さんに撮っていただいたものです。)

当日の飛行の原案となったシーケンスです。グライダーはパワーを持たない航空機であるため、計画通りに課目をこなすことがとても難しいです。なので、このシーケンスはあくまで原案であり、実際に行ったものとは異なります。計画からの逸脱を一つ一つ想定して、その対処を頭に叩き込んだ上で、フライトを行います。安全な低空飛行をする(あるいは「しない」決断をする)ためには、逸脱を想定した柔軟な計画を練ることが、とても重要です。


万全に整備していただき、確実に動作するスモークシステムを装着していただいた機体のおかげで、気持ちよく演技を行なうことができました。


最後の見せ場、ローパスからの変形インメルマンターンです。できるだけ早い速度(280キロくらい)でショーセンターに進入し、一気に引き起こしてそのままダウンウインドに入ります。





当日の様子、朝日新聞の埼玉版に掲載していただきました。


私はメインの活動が研究者であり、いわゆる社会性のある仕事に就いたことはないため、たくさんの人に心の底から喜んでもらったり、役に立つことをやったという経験があまりありません。曳航パイロットはみんなのためにやっているという実感はありましたが、今回のフライトはその感覚をはるかに凌駕するものでした。飛行を終えて観客の皆さんの元に向かっていくとき、とても不思議な感覚を覚えました。老若男女みんなが私のフライトを見て、掛け値なしに喜んでくれている。もしかしたら何人かの人生に大なり小なり影響を与えたかもしれません。

これまで何百万もかけて、技術練度を上げるための訓練を行ってきました。それは「曲技飛行競技」という価値基準の中で行なってきた努力です。その成果の一部をこのような形で評価していただき、本当に感無量です。凄かった、感動した・・・観客の皆さんから、いろいろなお言葉を頂きました。でも、おそらく一番感動したのは、飛んだ本人ではないかと思います。あんなにたくさんの人に喜んでもらったことなんて、今までになかったから。


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この飛行を通じて、アクロをやってみたい、飛んでみたい、と思ってくれた人との出会いがいくつかありました。学生さん、レーサーの方、会社勤めの方などいろんな人に興味をもっていただいたことは、空を愛するものとしてとても嬉しい出来事でした。みんなが自分に合った空の楽しみ方をできるようになれば、パフォーマンスをやった人間としてこれ以上に嬉しいことはありません。もちろん、競技者としてはアクロの後進をどんどん育成したいところです。

心残りなのが、名刺を忘れていってしまったため、何人かの方と連絡先の交換ができなかったことです。せっかくの機会、最大限に生かしたかったのですが。このブログを発見してくれることを祈ります。

2 件のコメント:

  1. 究極のアウトリーチ活動をされたのですね。RedFoxIIでの曲技飛行に限らず、本職のチョウでも、どうようの活動を、どうか時間とエネルギーの許す限り、するようにしてください。曲技飛行のパイロット&研究者。あなたはスーパーマンですから。日本的には、ウルトラマンか仮面ライダーか!!?
    水簾洞人

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  2. コメントいただき、どうもありがとうございます。アウトリーチというのに当たるかはわかりませんが、明日、本職のほうでのシンポジウムを開催することになっています。自分が議論して楽しむために開くようなものですが・・・エアショーのようにみんなに喜んでもらえるよう頑張ってみます。

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